こんにちは。
いまだ唯仁(いまだ ただひと)です。
アメリカで大ブームのマインドフルネス瞑想。
大ブームの裏には、もちろん背景があります。
スポーツ界でも、トップアスリートは、
いち早く取り入れられました。
サッカー日本代表の長谷部誠や、
バスケットボールの神様マイケル・ジョーダン。
海外では、スティーブ・ジョブズ(アップル共同創業者)、
ビルゲイツ(マイクロソフト共同創業者)ほか。
日本でも、あの日本航空を再建した
京セラ・KDDIの創業者稲盛和夫など、
多くのエグゼクティブが実践しています。
関連記事は、前回記事をチェック!!
前回は、「マインドフルネス瞑想」習慣を、
トップアスリートが取り入れるのか、
瞑想のおよぼすアスリートへの5つの効果をご紹介しました。
復習してみましょう。
今回は、簡単ですが、
その項目の解説もいれています。
《瞑想のおよぼすアスリートへの5つの効果》
(1)さまよわない心、疲れづらい脳の形成
脳の可塑性により、容積の変化だけでなく、
脳のシナプス強化など、脳の体力が増加します。
(2)集中力の向上
雑念を減らすことで、今集中すべきことに意識が注力します。
(3)感情調整力の向上
ストレスなどの刺激に感情的反応をしなくなります。
(4)自己認識への変化
一歩引いたところから、
自分を俯瞰して見つめるので、
自分を見つめ直すことができます。
それにより無駄がなくなるので、
冷静に行動できるようになります。
(5)免疫機能の改善
緊張状態がほぐれ、リラックス状態になることで、
免疫力がアップします。また、睡眠の質も上がります。
マインドフルネスは、燃え尽き症候群に、
かなりの効き目を発揮することがわかるなど、
世界のアカデミックな権威の方々による
研究論文は膨大で、今もな解明が進んでいます。
今回は、
マインドフルネス瞑想の
「科学的な裏づけ」について、
いくつか情報提供したいと思います。
瞑想を取り入れるのが、
トップアスリートとして
ワンランクあげてくれるのは理解するも、
まだ半信半疑な読者様、
いやまったく信じる気もしない方には、
何かの気づきになると思います。
DMNという、脳回路
イェール大学のジャドソン・ブリューアーの
2011年の論文によると、
10年以上の瞑想経験がある人を対象に
行った脳活動の測定では、
【内側前頭前野】と【後帯状皮質】の
活動が
低下していたというデータが確認されています。
【内側前頭前野】と【後帯状皮質】は、
脳の部位で、
記憶や感情に関わる部位と言われています。
また、その機能に加え、
デフォルト・モード・ネットワーク(通称DMN)
を司る部位でもあります。
DMNとは、
脳回路のことで、
意識的な活動をしていないときに
働く脳のベースライン活動を指します。
意識外の時にも働いているということなので、
脳のアイドリング状態を行っている回路とも言われています。
すこし分かりやすくいうと、
ぼーっとしているときも、
頭の中では、潜在意識の中で、
いろんな雑念が浮かんだり消えたりの
繰り返しを行うなど、
つねに動いているということです。
言葉を言い換えると、
DMNとは、
「心がさまよっているときに働く回路」とも
言われているそうです。
心がさまよっている時は、
1日を通してあまりないと思うけど・・・。
なんて思うかもしれません。
実は、
人間の脳というのは、
なんと1日のおよそ半分以上を
心さまようことに費やしているそうです。
潜在意識という無意識内なので、
気づかなくて当然ですね。
そして、心さまようというのは、
心が外側に向かっておらず、
内向きになっている状態をさしており、
部位でいうと先に述べた
【後帯状皮質】という部位が、
「自己へのとらわれ」に関わっている
と言われています。
さらに、
そのアイドリンクで絶えず動くDMNですが、
DMN自体が消費するエネルギーは、
脳の全エネルギー消費の
60〜80%を占めると言われています。
つまり、
脳が疲れるというのは、
こういう「自己へのとらわれ」をはじめとした
内向きのエネルギーを
DMNという脳回路で、
大きく消費しているから
ということを意味しています。
マインドフルネスが、
DMNの要でもある
【内側前頭前野】と【後帯状皮質】の活動を
抑えることができるのは、
先の研究論文の紹介にもある通り。
つまり、
脳のアイドリング中に浮かんでくる雑念こそが、
脳疲労の最大要因の一つであり、
その雑念を抑えることで、
脳を休ませるというのが、
マインドフルネス瞑想の基本メカニズムといえます。
ここで、
一つDMNへの理解を深める意味で、
「うつ病」の事例で解説します。
うつ病の人たちは、
「あのとき、ああしてよけばよかった」
というネガティブな思考の反復、
いわゆる反芻思考がみられす。
ため息の連続など、ひとつの例です。
うつ病の人たちは、
内向きな思考に寄っていますので、
脳の疲労にも直結し、
DMNの使いすぎとの関連性が、
指摘されているそうです。
くよくよ思い悩む人ほど、
脳のエネルギーを浪費するということですね。
また他の研究論文によると、
【尾状核】、【嗅内野】、【内側前頭前皮質】
の脳活動の変化も
マインドフルネス瞑想により認めれています。
【尾状核】とは、
不要な情報を除いて、注意をむけることに関与している部位。
【嗅内野】とは、
心がさまようのをとめるのに関与している部位。
【内側前頭前皮質】とは、
自己認識や統制に関与関与している部位。
この研究からも、
瞑想には、脳を休めるのに加え、
心を整える効果が見込めるとも言われています。
トレーニングで手に入れる「疲れない脳」
瞑想が心を落ち着かせるというのは、
ここまで書かなくても、
なんとなくわかるというのは、
周知の事実かもしれません。
しかし、このマインドフルネスには、
習慣を積み重ねることで、
なんと、
進化をとげることもできると言われています。
脳の一時的な働き具合だけでなく、
脳の構造そのものを変えてしまう
とも言われています。
脳の可塑性についての
一つの研究データをご紹介します。
マサチューセッツ大学医学部教授の
ジョン・カバット・ジン医師が、
従来の認知療法に瞑想を組み込んだ
「マインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)」
というプログラム実践例です。
彼らの研究グループによると、
2005年、2011年の研究結果では、
【大脳皮質】の厚さが増したそうです。
これは、脳機能が高まったとも言われ、
他にも、老化による脳の萎縮に対しても
効果が
確認されたといわれています。
別の研究では、
【左海馬】、【後帯状皮質】、【小脳】で
たんぱく質の密度増加が確認されたということで、
記憶に関連する脳の部位が
強化される可能性も示したと言われています。
これらをまとめると、
瞑想を継続的に習慣化することで、
DMNの活動をコントロールできるようになり、
「さまよわない心、疲れづらい脳」を
つくることも可能ということです。
ある研究では、
ストレスホルモンである
コルチゾールが出にくい状態も観察されており、
「ストレスに強い脳」をつくれる
可能性が高いそうです。
こういう科学的裏づけがあると、
なんだか安心感がわきますね。
まとめ
脳のアイドリング中に浮かんでくる雑念こそが、
脳疲労の最大要因の一つであり、
その雑念を抑えることで、
脳を休ませるというのが、
マインドフルネス瞑想の基本メカニズム。
マインドフルネス瞑想により、
DMNを抑制することで、
脳を休ませることができます。
さらに、
脳の可塑性をいかして、
「さまよわない心」
「疲れづらい脳」
「ストレスに強い脳」
をつくる事も可能といわれています。
いかがだったでしょうか?
瞑想についての科学的研究を
いくつかご紹介しました。
少しでも、あなたの自己開発に
役立てればと思います。
詳しくは、
参考文献:最高の休息法(著)久賀谷亮
をごらんください。
▼△▼△▼△▼△▼△
いかがでしたか?
皆様からのお気軽なコメントお待ちしております。
より〝したたか〟に、より〝しなやか〟に
〝Pound The Rock〟
ー いまだ唯仁