起業当初から比べると、明らかにやる気がでない。行動するよりも、本を読んで気分を紛らわそうとしたりしてしまう自分がいる。と、もしあなたが、理想と現実の迷いや不安からやる気が出なくなり行動が鈍っているとしたら、少し立ち止まって自分と向き合う時間も大切です。

なぜならば、多くの人が、「選択によって行動が起きる」という本質を知らないからです。どんな人であっても、一時的にやる気が出ない状態になることはあります。成功者も偉人も誰にでも起こる状態なのです。

心理学者アルフレッド・アドラーはやる気について次のようなコトバを残しています。

「やる気」がなくなったのではない。「やる気をなくす」という決断を自分でしただけだ。
「変われない」のではない。「変わらない」という決断を自分でしているだけだ。

アドラーは、どのような精神状態も自分自身でそれを選んでいる、ということを指摘しています。アドラーによると、やる気がない状態とは、自分自身でそれを選択しているからだということですね。つまり、やる気がない状態を脳が選択するということは、何か脳内で方向性のギャップが生じていますよ」と教えてくれているのです。ひとつひとつ向き合い、少しずつ改善を重ねていくうちに、気づけば充実する毎日になっていたなんてこと遠くありません。

私はメンタルコーチとして、子どもからプロアスリートまで年間1000件以上の相談にのっています。その中でも多い相談はやはり、「やる気がでない」です。今回はメンタルコーチの視点から、その原因と簡単な解決方法についてくわしく説明します。ぜひ参考にしてください。

 

やる気がでない起業家の簡単セルフチェック

まずは、簡単な診断をしてみましょう。ヒヤリハットの法則(ハインリッヒの法則)によると、1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するといいます。下記にある10個の質問のうち、1個でもあれば、すでに進んでいるかもしれません。小さいうちに生活を見直し、意識・思考に気づく習慣を作っていきましょう。

  1. マイナスな口癖が多くなった
    例)だるい、うざい、ありえない、最悪だ、むかつく等々
  2. 最近、顔つきが変わったといわれる
  3. 元気がないと言われるようになった
  4. 最近、夜眠れなくなった。または、朝起きるのがつらくなった
  5. 最近、首、肩、腰に強い痛みを感じるようになった
    例)後ろを振り向けない、肩こりがひどい、重いものを持つのが怖くなった
  6. 最近、体重が3キロ以上減った、あるいは、3キロ以上増えた
    例)ご飯を食べられなくなった、または、ご飯をつい食べ過ぎてしまう
  7. アルコールや脂っこいものに手を伸びるようになった
  8. おかしや味の濃いものを優先して食べたりしていることが多くなった。
  9. 今の仕事に、情熱を注げない自分がいる
    例)自分の人生設計通りのライフスタイルを手に入れていない
  10. 自分の人生に、生きづらさを強く感じている
    例)言葉にはしづらい生きづらさ、苦しさを感じる

やる気が出ない起業家の3つの簡単解決法

先のセルフチェックで、あなた自身の「現状」が見えたと思います。ちょっとしたセルフチェックですが、自分の顔を意識したり、発するときのコトバに意識が向き、気づけるようになります。日々の終わりの振り返りなどに、これらの項目を確認する仕組みを取り入れるのもいいかもしれませんね。笑顔をつくることは、とても大きな効果があります。体の不調がある時は、ストレッチや軽い運動習慣を積極的に取り入れていきましょう。運動習慣は、鬱への改善効果は多くの研究で実証されています。

ここでは、さらにいいメンタル環境をつくるための具体的な解決法とやる気についての脳のメカニズムを解説します。簡単に着手できて、効果が実感できる順番で書かれています。まずは上から順番に試していってくださいね。

睡眠と食事の質を改善して、やる気をだす簡単な方法

やる気がでない時の、生活習慣の中で共通一番多いのが睡眠問題。次に食事習慣です。今すぐ良質な睡眠と良質な食事習慣に変えていきましょう。起業がうまくいかず不安なのはとてもわかりますが、悩んでも何も解決しません。睡眠不安が続くと、効率も落ち、負の連鎖から抜けれなくなります。思い切って寝ることも大切です。

(1)アイマスクと耳栓をして、しっかり眠る。

何かと不安で神経過敏のあなたには、音が気になったり、部屋が明るかったりすると、交感神経(こうかんしんけい)がさらに活発化してしまいます。アイマスクと耳栓をし、リラックスに非常に強い効果を発揮します。

(2)目を休め、脳を休める。(就寝前の2時間は電子機器を使わない)

「ブルーライト」というスマホやPCに含まれる光は、交感神経を活性化させる要因のひとつと言われています。寝室やベッドの回りには、電子機器を置かず、寝るモードの習慣を脳にプログラムしていきましょう。

(3)脳にとって、栄養価の高い食事をとる
  • 過度のアルコール
  • 脂っこい食事
  • お菓子やカップラーメンなどのジャンクフード

これらは、脳の栄養として全くいいことはありません。もちろん、栄養価の高い食事といっても、複雑に考える必要はありません。旬の食べ物を選ぶくらいで大丈夫です。365日、いつでも食べられるものではなく、その季節にスーパーによく並ぶ食べ物という意識で食材を選ぶことは、今という時間感覚を意識できとても効果があります。今を意識することは、マインドフルネスに通じる考え方です。また、旬の食べ物は、最も栄養価が高い時期に収穫されているものなので栄養があることはいうまでもありませんね。季節の野菜や果物を積極的に購入し、食事に取り入れていきましょう。外食の時も、出来る限り季節ものがおすすめです。

たったちょっとしたことですが、とても大きな効果があります。これは、心理学の研究でも多くが実証されています。もっと知りたい方は、一度調べてみるのもいいですね。生活の質をあげて行くと、時間の質をあげようと知らずに意識も上がり、自己実現欲求が再燃してきます。

脳の仕組みを利用して、やる気をだす簡単な方法

ここでは、脳の仕組みという視点から解説します。

「そもそも、やる気はいつどこで生まれるのでしょうか?」

クレペリンという心理学者が提唱した作業興奮という理論によると、「やる気というものは、行動した後にホルモン分泌により、やる気が湧く」というメカニズムで働くことが分かっています。脳がやる気ホルモンを出して行動を起こすのではなく、行動を起こすから、脳がやる気ホルモンを発生させるという仕組みなんですね。

では、このメカニズムを利用してやる気を出す簡単な方法をご紹介します。

何のために仕事をするのか考える

あなたが毎日仕事に取り組んでいるのにやる気が出ないということは、その仕事を続ける目的があなたの真の欲求と合わないことから起きているストレスから、出ているかもしれません。

脳は行動した後にやる気ホルモンをだす性質を持っている原則になぞらえると、行動してるのにやる気が出ないという場合は、そもそもやりたくないからなんです。目的が本当の自分がのぞむものと合わないことが原因なんです。いますぐ仕事を変えましょうとは言いませんが、あなた自身が何のために働くのか再度考えてみるタイミングです。

  • あなたは、何のために仕事をしていますか?
  • そして、その目的を自分で把握していますか?

「特に理由はないけれど、なぜかやる気が出ない…」と悩んでいる場合は、ぜひ一度たちどまって、これから何のために仕事をするのかをじっくり考えることをお勧めします。もし答えがなかなか見つからないときは、あなたが生きる意味や目的について考えてみると見つかりやすいかもしれません。

 

まとめ

やる気とは

行動の後に、湧いてくるもの

やる気が出ない起業家の3つの簡単解決法

  1. 睡眠の質を上げる
  2. 栄養価の高い食事をとりましょう
  3. 何のために仕事をするのか考える

やる気が出ないのは、進化しようとしている瞬間

焦らず、自分と向き合い、積み重ねていく